モッツアレラチーズ2 佰弐拾捌

栗の木では最近春先によく来るへんちょう鶴が嬌声を発している。最近家族内では弟が神戸から高知に帰郷する話が進んでいる。弟は個人研究ができる時間を作り出したいということだ。弟の仕事観としては金もうけだけでなく社会に貢献できるということが1つテーマとしてあると言っていた。個人研究と並行して大同特殊鋼で積み上げた実務の技術や知識を出身校の徳島大学で教えることを考えているらしい。弟の話を聞くと僕の貧しく、おなにいな生活と比べてスケールが大きく、充実しているなあと感じる。今日は午前中塾の授業の準備をして、午後ショッパーズ高知帯屋町店に平成塾の生徒でこの春卒業する黒瀬さんへのプレゼントを買いに行った。バレンタインデーにハート形のチョコを貰ったのでそのお返しをするためである。1階の宝石店「ココ山岡」に森英恵のハンカチがおいてあったのでそれを買った。パッケージをしゃれた包み紙で包装して帯を掛けてくれた。今日、授業の前に渡そう。買い物を済ましてから桝形にある喫茶「ズムズム」に行った。入り口のドアのところに放牧場の牛が付けているようなベルが付いていてドアどを開ける時じゃらーん、じゃらーんと鳴った。入ると1階の4人掛けの席に山口君が座っていた。螺旋階段で上がる2階にも席が設けてある。山口君は足を組んでぶらぶらさせながら「ペントハウス」という英語の雑誌を読んでいた。山口君は大学には通わなかったが相当英語ができると思う。山口君は全てミニィチュワがいいと言っていた。山口君は僕が言うことに口を挟むといつも話がかみ合わないらしく「ミニィチュワが悪い!ミニィチュワが悪い!ゆうて」と言い、「タハッ」とソッポを向くのだった。無言で小さめのカップに入ったコーヒーにつぶつぶのシュガーを入れていた。山口君はそのうち親の財産を食いつぶすだろう。山口君は「保父」になればよかったと言っているが。喫茶店を出て自宅に帰り授業の準備をした。もう平成塾で教え始めて1年が経つ。今年の3年生はもう入学先の学校がほぼが決まっている。平成塾に着いて、教室で黒瀬さんにホワイトデーでのお返しを丁重に渡した。その時遠目に黒瀬さんの濃いすね毛が机の脚のパイプの間からのぞいていた。黒瀬さんは北高に行くことにしたと言っている。各生徒に合格の喜びを聞いた。森本君は西高に、松本君は僕が昔落ちた高知高専に合格したと言っていた。南校に合格した安岡君は僕に塾の講師を辞めて、遺跡発掘の仕事をするように進めてくれた。幸い高校浪人の憂き目を見る生徒は居ないようだった。清和女子高に行くことになった杉村さんは僕を「酉リン」と呼ぶ。これらの生徒は皆西部中学の生徒である。ここの中学の生徒はとにかく受験と言っても気合が入らないのが特徴である。昨年10月には西部中学の秋の運動会を見学に行っていてその印象を強くした。100メートルの徒競走で何人も1線に並んでゴールする。勝ち負けの意識から起こるデッドヒートとか組体操でもきびきびとした日本人らしい統率の取れた動きというものがなかったのである。この塾に僕は表向き馴染んではいるが授業のスキルアップや金もうけの事は置き去りにされている。授業が終わって塾の打ち上げに行った。僕もアルバイトから月給取りになれそうな話がある。打ち上げは1次が電気ビルの地下にある「半平太」という居酒屋だった。

 

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