モッツアレラチーズ2 佰拾捌

朝目を覚ました。カーテンから薄明りが漏れていた。男3人川の字になっている。今日は山中さんと僕が早出の仕事なので6:00に山中さんに声をかけて一緒に起きた。裸電球をつけると川端さんが目をこすって目覚ましを見た。川端さんはそのまままた寝込んでしまった。洗顔を済ましたがまだ食事の用意ができていないので部屋に帰った。山中さんが床の前で日刊スポーツを読んでいた。山中さんはNHKの女子アナのファンであり、大のジャイアンツファンでもある。クロマティ―が外人ながら活躍するので「クロちゃん」と言って贔屓にしている。テレビで野球を観戦していても非常に熱く観戦している。「こいつは槇原じゃねえ!負け原だ!」と言ってホームランを打たれた投手を残念そうに罵っている。食事が済み、4人でバンに乗り込んだ。親方の渡辺さんが運転して行く。今日僕が行く現場は保土谷だ。33階のビルを建設予定で、今日は9階のコンクリートの打設を行う。早出になっているのはコンクリートの打設の前にスラブの掃除をして準備を整える為である。現場について建設中のビルからかなり離れた場所にある箱場の近くにある駐車場に車を止めた。スリッパから地下足袋に履き替えてビルに向かった。建設中のビルは階段が斜向階段になっている。8階まで昇降するのが大変である。大西さんと一緒に歩いて9階目の現場に着いた。現場ではくわえたばこの型枠大工さんと鉄筋屋さんが早くから来て鉄筋を組み、型枠を入れていた。コンクリートを打設するために組み立てられた床の部分をスラブと言っているがコンクリートを打設する前に余計なものを取り除いたり掃除をしなければならない。僕はかちかちと必ず朝食を取るが、鳶さんや土工の人でも朝食は取らない人が多い。そこで朝食を取らない人は出がけの車の中や現場でUCCコーヒーを飲んでいる。この日も作業が始まるまである土工さんはコーヒーを飲んだりして作業の進行を見ていた。午前中に8階の柱の部分にコンクリートを入れる作業があった。壁の部分にコンクリートを入れる際、僕達土工は「たたき棒」を持ってコンクリートが入れられた木の枠をガン,ガンと叩く作業を主に受け持つ。たたき棒というのはワンハンドの木槌の名称である。この作業は「あっちだ、こっちだ」と声がかかって、大変活気がある。10:00頃作業を中断した。建設業界では午前10:00と午後3時に「いっぷく」と言って30分ほど休憩を取ることになっている。もぐりの業者では守られていないところもあるだろうが、僕が勤めている北東建設に仕事を出しているのは前田建設という業界大手の会社なのでちゃんと休憩は取れることになっている。土工の仕事は掃除やケレン、雨の日の排水といった雑務が多いが、足場材の運搬や整理、とび職の人の手元なども大事なので道具器材や作業名などの業界用語も覚えておかないと仕事にならない。兎に角北東建設では時間で仕事をしており、「いっぷくだ!」と「めしだ!」以外の時間はなんかかんかしていなければならないのである。9階床部分のコンクリートの打設は6時を過ぎても終わらず残業に突入した。コンクリートが床に入ると地下足袋では作業ができないのでFBIの長靴を履いている。土工のミキサー車のブームの先からコンクリートが入ったところにバイブレーターを入れて攪拌したり、コンクリートを鋤簾などで平たんに引き延ばすのが仕事である。大沢さんがくわえたばこでバイブを入れた所のコンクリートを引っ張って均していった。左官屋さんがコテできれいに均し終わった時にはもう午後8時を過ぎていた。すでに投光器が入っている。仕事が終わって、残業の労をねぎらうために親会社の前田建設が現場で一席設けてかつ丼を振舞ってくれた。

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