モッツアレラチーズ2 佰拾伍

栗の木は木枯らしに揺れている。朝バイクで通勤する時も手袋をし、フルフェイスのヘルメットを着けても手は悴み、体は凍てつく。通勤時間がまるで耐寒訓練のようである。今日も無事寒々とした霜に沈む光の村に着いた。紙器工場に行き谷村先生に挨拶したが、今日は午前中東宝シネマである映画を北野先生が生徒を連れて見に行くことになっており、僕も同行する。かなりの数の生徒が隊列を組んで帯屋町のアーケードを潜って映画館に行く予定であるという話をした。紙器工場からホールに集まる時、普光江君が「大名行列!」と言って、顔を曇らせた。車先生の運転するスクールバスで大橋通に 着き、大橋通から隊列を組んで歩いて帯屋町の東宝シネマに行った。見る映画は東宝シネマの2階でやっている「植村直巳物語」であった。生徒と職員合わせて30人程で着席し、鑑賞した。この映画が迫力のある物であった。冒険家の植村直巳さんは明治大学の出身で大学を卒業後、定職を得たが長続きせず、いろんな仕事を経験したがどれもうまくいかなかった。何かこの辺りの経緯が僕の状況とオーバーラップするものがあった。結局植村さんは野性的な冒険家となって、いくつもの難所を冒険して巡ったが、この映画では南極大陸の犬ぞりでの横断がメインの冒険になっていた。分厚い防寒服を着た植村さんは猟師のような帽子を被った頭、髭だらけの顔で6頭立ての犬ぞりを「ほー、ほー」と鞭を振るいながら氷と雪の南極大陸を横断して行く。植村さんは犬ぞりを軽くするため最小限の食料しか積んでいなかったので途中、飢えがつのり、そりを引いている犬を見ながら「食いてーなー!」とつぶやいた時のシーンで植村さんの野性味と犬への憐憫が胸に迫った。植村さんは南極大陸の横断に成功したが、後に冒険家の最期らしくマッキンリーの露と消えた。この映画は冒険家植村直巳の野性味が光る作品であった。映画を見終えて北野先生率いる映画鑑賞隊は光の村に帰った。光の村に帰ってパンの昼食を取ってから2時過ぎまで紙器工場で働いていたが、今日は4:00から朝倉のお寺で父方の祖父母のための供養を父と一緒にすることになっていたので仕事を早く置かしてもらった。日蓮法華宗のお寺は以前は中水道にあったが今は朝倉に新築している。新築にあったっては昇華学会も貢献しているのでお寺では昇華学会の幹部などが住職を差し置いて我が物顔で振舞っている。お寺での供養を済まして家に帰りついた時は5:30を回っていた。6:00時に愛宕山南町にある山口君のアパートに行ったが、お母さんがレストランに行ったと言った。比島にある「北欧館」というレストランだった。山口君はこのレストランでよくステーキなどを食っている。山口君は足を組んでぶらぶらさせながら食後のスモール珈琲を飲んでいた。2人掛けの席の前に座り、ウエイトレスに「アメリカン」と注文をした。僕はあまり外食をしないのでコーヒーだけである。山口君は最近「ニューヨークタイムズ」などを読み、ゴールディングの「Darkness Visible]]という作品から自分の世界での位置を模索しているようであった。山口君に職場での苦労を話したが山口君はイマジネーションの世界に包まれていて苦闘する僕の姿は「しこふんじゃった!」くらいにしか思えないようだった。

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