モッツアレラチーズ2 玖拾参

裁判所に勤めてから1年経った。京都地裁の各部署だけでなく、略式係でも移動があった。一緒に働いていた中野君は2年京都にいて今年から地元の大阪地裁に転出した。会計課で事務を執るということだ。書記官の丸山さんは簡裁民事部に所内移動した。代わりに書記官の植田さんと事務官の相知(そうち)君が赴任した。相知君は高卒初級入所の若手で頭がモンスター・ロシモフのようにもじゃもじゃの若者である。付き合いのある人もかなり移動した。日野さんは埼玉の書記官研修1部に入った。僕は仕事に関して2年目だが新任の相知君に教えてあげるほどのこともなく、事務作業の内容と手順を伝えただけである。この頃仕事が自分に合ってないのではないかと感じるのは人間関係がストレスになっているのだろうと思う。仕事がなかなか手に付かないのである。先日野球部の全国大会に同行した。同行したというのは僕は野球部員だが日頃から練習にも参加していないので補欠にもなれなかったからである。野球部が京都の大会を制して全国大会に出れたのは投手の佐藤さんの剛腕によるところが大きい。野球部員11人とマネージャーで総務課の山際さんと人事課の付き添いの柴田さんも同行した。この旅では旅館での酒盛りとかアメ横での買い物、野球の試合の観戦が印象に残っている。アメ横では人に贈るためのイニシャル文字の入ったペンダントを買った。旅館での酒盛りでは山際さんが僕に酒を注ぐのを嫌がっていたのが記憶に新しい。野球の全国大会は目白のグラウンドで行われた。田中角栄の目白御殿のすぐ裏手である。1回戦は岩手地裁に辛勝した。2回戦は茨木地裁が対戦相手であった。京都地裁のオーダーは1番センター嶋田、2番セカンド福嶋、3番ファースト牧野、4番レフト平井、5番ショート野口、6番サード御沖、7番ピッチャー佐藤、8番キャッチャー米田、9番ライト中田というものだった。1回、ピッチャー佐藤は好調で胸幅のある長身から投げ下ろす、ややスリークオータ気味の安定した投球をしていた。130kは裕に超えていると思われる伸びのある速球を主体に大きく落ちるカーブを決め球にしていた。ただ、京都地裁の打線が湿り気味で軟投の茨木のピッチャーを打ちあぐみ6回まで無得点であった。6回まで佐藤は8つの三振を取るほどの好投をしていたが、7回フォアボールのランナを出し、モーションを盗まれて2盗を許した。その後2アウトからライト前にポテンピットを打たれ、ライトからの返球がそれる間に2塁ランナーがホームインして痛恨の1点を取られた。結局京都地裁はのらりくらりと重く打ちにくい球を投げる茨木の投手を打てずにシャットアウトされ、1-0で敗れた。野球の全国大会のことを回想していると隣の席では怒りの相知君が差し入れの大福もちを口の周りを真っ白にして食っていた。

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