モッツアレラチーズ2 捌拾漆

裁判所に勤め始めてからもう1ヶ月近く経った。まだ朝起きるのが遅くなり、タクシーで出勤ということもある。今日は首尾よく起きて、朝のお勤めを済まし、紫竹の下宿から歩いて大通りに出た。バス停でバスを待っている時、、昇華学会の小西さんの娘さんと一緒になった。20歳前後のきれいな人である。特に話すこともなく着たバスに乗って地下鉄烏丸線の北大路車庫に向かった。北大路で地下鉄に乗り烏丸丸太町で降りた。階段を上って地上に出て歩道橋を渡り、向かいの歩道を裁判所へと急いだ。裁判所の近くなので軒並み司法書士などの事務所が並んでいる。ちょうど前を人事課の上田さんが歩いていたので急ぎ足で並んで声をかけた。上田さんは同じ人事課で大阪大学出身の日野さんから聞いた話では大阪大学の法学部を首席で卒業して賞を取ったということであった。裁判所の職員は入庁した時の資格でそれぞれコースが違っているが2年ないし数年で書記官になる人が多い。東京の書記官研修所で1年研修を受けて書記官になるのである。書記官になるためには試験もあるので商法以外の6法を日ごろから勉強しなければならない。上田さんと勉強会の話になった。裁判所は第5民事部などの忙しい部署を除いて5時チンで仕事が終わる。簡易裁判所の略式係などはその典型と言ってもよい。勉強会は5時チンで仕事が終わってから会議室を使ってするということであった。裁判所に着き、人事課へと階段を上がっていく上田さんとの別れを惜しむように見送りながら略式係の部屋への通路を急いだ。略式の部屋の扉を開けると、中野君がすでに来ていた。スーツからカーディガンに着替えて着席してお茶を飲んでいた。ロッカーに荷物を置いて上着を脱ぎ、ジャンパーに着替えた。まだ朝食を取っていなかったので売店に行って卵サンドを買い部屋に戻った。席に着くと中野君が朝食なしで牛乳を飲んでいたので卵サンドを1ピース上げた。豊中人の中野君は「おおきに、おおきに」と礼を言い美味しそうに食べていた。9時を過ぎて反則切符が警察、検察などを通って入ってきだした。道路交通法違反で反則切符を切られた人の中には違反について否認をしたりする人もいる。そこで時々検察事務官が部屋に入ってくる。今日も検察事務官の宮田さんが部屋に入ってきて、「否認や,否認や!」と険しい表情で僕の顔を見た。僕のしている仕事は反則切符の罰金額とか違反の種類などを番号をふって事件簿に付けていくことや業務上過失傷害、風俗営業等取締法違反などの軽微な事件の略式命令を書いて裁判官のハンコをもらい、郵送したりすることである。中野君は書道の達人だそうで達筆で書いているが僕は仮名釘流で書いている。円山書記官は昔人事課長も経験したことのある人であるが、裁判所に進駐軍が来た時の「ウオレンバーガー」の話を聞いている内にお昼のチャイムが流れてきた。お昼は普通食堂の仕出し弁当を取るか外に食べに出るが、今日は福島主任のおごりえということで中野君と僕の三人うどん屋の「更科」に出かけた。「更科」は京都でも古くからあるうどん屋だそうである。細めの麺のけつねを食べて、福島主任に金だけ払ってもらって別れ、その後中野君と一緒に喫茶店「幸」へ行ってコーヒーを飲みながら話をした。昼休みが終わり、部署に帰って仕事を続けた。仕事はほとんど毎日変わりもないが割合いろんな人が入ってくる。午後は特に変わったこともなくいつも通り過ぎてゆき、チャイムを待たずに中野君が帰り支度を始めた。5時の終業のチャイムが鳴るや否やダックスのスーツ姿の中野君が挨拶をして通路へと吸い込まれていった。

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