モッツアレラチーズ2 捌拾伍

公務員試験など就職活動も一段落して、高知に帰省している。公務員試験は結局裁判所職員試験の中級職だけ合格できた。一緒に勉強していた昇華学会員の松野君や安藤君そして同じ下宿の石井君も公務員試験を受けて結果が出ている。松野君は京都市役所の上級職、石井君は高松市役所の上級職に合格したが、安藤君は企業の就職先を決めることになった。今、就職のめどもついたので家でのらくら過ごしている。弟も来年大阪大学の大学院を卒業して企業に就職が内定している。弟の就職先は山﨑豊子の小説「華麗なる一族」のモデル企業ともいわれる神戸に本社がある「大同特殊鋼」である。弟と就職しての給料の話をした。僕が裁判所の職員になると中級職は短大卒業資格で7等級1号棒で素だと11万円台である。弟の話では弟の初任給は手取りで20万円以上だと言っていた。事務員と比べてエンジニアは給料がいいなあと思った。父は一往2人とも就職が決まったのでほくほく顔になっている。しかし、母は子供が地元を離れて就職してしまうので少し寂しそうだった。僕は就職に関して公務員試験の他は就職掲示板に出ていた1社だけ筆記試験と集団面接を受けた。その企業とは山口君が通っていた「京都駿河台予備校だった。」筆記試験の後集団面接で志望動機を聞かれたが、僕は自分が非常に大学入試試験に精通している旨を力説した。大学入試を4年に渡って受けていたので、入試に関する全てのデータは頭に入っていたからである。僕の話を聞いて、胸を打たれたのか「ほお!」と頷いて顎を捻りながら考え込んでいたが、「でも君は裁判所にいくんだろう?」と言った。僕の頭には簡易電卓のように素早い計算が駆け巡った。引っかかったのは給料である。裁判所は素で11万円、京都駿台は18万なのであった。「もちろんこちらにお世話になります。」と専門職より給料に軍配が上がった。試験官は不機嫌そうに「ごほん」と咳ばらいをして次の人に移った。「落ちたか!これは」と咄嗟に思ったが「裁判所に行きゃ―ええが!」と気を取り直した。弟にこの話をすると、弟は兄貴は裁判所で茶でも飲んでいる方が良かろうと言った。弟は僕と比べると老成しているなあと思った。外観を比較すると僕の方が年下にみられるからである。就職今年全単位を取れないと全単位を取れないと大学中退で就職しなければならなくなるので予断は許さない。いま大学では学長の松山義則の糾弾闘争を学内自治に向けてやっているので後期の試験はレポートの提出で済むかもしれないという話だった。卒論もなし、最後はレポートの提出で大学を後にする。鞄から手袋を取り出した。この迷彩色の手袋は稲田さんからの頂き物である。稲田さんの誕生日に北河君に地元のトラッドショップで買ってきてもらったUCバークレイのトレーナーを上げたのでそのお返しである。僕の労働者のように大きい立派な手を大切にするようにと貰ってくれたものである。稲田さんも来年卒業で中内功のダイエーの薬局に勤める予定だと言っていた。自宅の栗の木は実が成ってしばらくすると食べ頃になる。

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