モッツアレラチーズ2 捌拾参

同志社大学の文化祭も終わり、11月は紅葉の季節だ。文化祭では大東洋哲学研究会の展示で何人かの人に生命の流転を図を使って説明した。聞いてもらった人には任意でアンケートに答えてもらって、住所や電話番号も教えてもらった。その中には勿論女子大生もいたが、よく話を聞いてくれてアンケートにも答えてくれた2人連れの女子大生が印象に残った。アンケート用紙は研究会の方で回収されたが、住所と電話番号は控えてあったので後日文化祭の時の感想などを聞くために電話を掛けてみた。2人連れの女性のうちの1人は山東さんという女性だった。山東さんともう1人の稲田さんという女性は兵庫県にある武庫川女子大学という学校の学生であった。山東さんは仏法の話に興味を持ったと言った。僕は話の元ネタが、五島勉の「カルマの法則」という本だということを話し、貸してあげようかということになった。そして今日、東山の山口君を誘って、秋の嵐山に紅葉を見て散策することになっている。11時には京極アーケード内の「平野屋」に来ていた。4人掛けの席のこちら側に僕と山口君向こう側に山東さんと稲田さんという次第である。4人が席に着いて、飲み物を注文してから直ぐに山東さんに五島の「カルマの法則」を手渡した。相手の女性達は大東洋哲学研究会が昇華学会と関係があることは知らないようであった。そこで僕は仏法の話を昇華学会とは関りがなく話した。山東さんは文学部の学生で稲田さんは薬学部の学生だということであった。2人ともかなりの美人でしっかりした感じの人物である。山口君の素性は話題に上らなかったが、話の内容や風体からは医学部の学生と思われていたろう。稲田さんのお兄ちゃんはクールファイブの「前川清」風のけん玉人間だと言っていた。山東さんはいかにも子供好きの人でひっくり返った子供を起こしてやったりしていた。僕は6回生だということをひた隠しに隠し、いかにも3回生ぐらいの顔をして話していた。平野屋を出て四条から阪急電車と嵐山線を乗り継いで嵐山に紅葉を見に行った。渡月橋の南東にある公園から見ると嵐山はもうかなり赤く色づいていた。4人で並んで歩いて行った。僕は女性用のようにウエストの締まったカーキ色のトレンチコートを山口君はカメラマンが着るような紺色のハーフコートを着ていた。一方並んで歩いている女性の側は山東さんが芦屋の金持ちそうにミンク風の洋服を稲田さんはブラックウォッチのシャツにコーデュロイのベージュ色のジャケットとスカートを着ていた。渡月橋を渡ってだらだら坂を上り「零戦館」などを見ながら苔寺に向かって歩いていると、もう正午をとうに過ぎていたので空腹を模様してきた。4人で食堂に入った。山口君が黒い財布を出して1万円札を数枚ちらつかせながら「寿司を食え!、寿司を食え!」と言った。僕はけつねうどんと稲荷寿司を注文した。山口君は握り寿司を注文した。2人の女性もそれぞれうどんや巻き寿司などを注文した。店内の片隅にガラスのケースに季節ものの桜餅などが作って置いてあった。2人の女性は桜餅などを横目で見ていたが、遠慮がちで食べようとは言わなかった。後から山口君が桜餅を食べたそうにしていたのになぜ食えと言わなかったかと神経の細いところを見せていた。食事をしている時映画の話などが話題として上ったが、2人の女性は西部劇のジュリアーノ・ジェンマとか阪神の野球選手の小林繁がいいと言っていた。山口君は「小作りの顔の男がええんやねえ!」と僕の顔をまじまじと見た。店を出る時勘定は山口君持ちだった。山口君任せで勘定を持たない僕を2人の女性はあきれ顔で見ていた。

それから4人して苔寺へ向かって坂を上って行った。

 

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