モッツアレラチーズ2 陸拾捌

窓を開けると裏山の緑が目に入る。5月に入って大学生活2年目も相変わらず授業に出いない。まだ在学浪人のような気分が抜けきらないでいる。いい加減気持ちを切り替えて学業に専念しないと世の中のレールから逸脱してしまうと思いながら、昼近くに起床して外食に出かける。朝食兼昼食の野菜炒め定食を「大扇」で食べ下宿に帰ると、読みかけの「聊斎志異」を読み耽る。聊斎志異は中国の奇談で芥川龍之介も読み耽ったという。学校に通わないで下宿に籠って読書三昧の今日この頃。2時過ぎに高知から京都へ来たという山口君が下宿に来た。京都大学を受験したいので京都の予備校に通うことにしたという。10分ほど部屋で話をしていたが、山口君が引っ越してきたアパートに行くことになった。山口君は僕の下宿の近くに住みたいと思ったのかどうかはわからないが、同じ京福電鉄の沿線である一乗寺に住んで居るという。アパートは駅から歩いて5分ほどの大丸町という所にあった。山口君の部屋は入り口のすぐ側だった。部屋に入るとコカ・コーラの空き缶がたくさんあり、学習参考書や専門書が積み上げてあった。部屋はキッチン付きの4畳半であったが、同じ4畳半でも僕の下宿の部屋と比べると狭い感じがした。おそらく僕が住んで居る下宿は作りが古いからであろう。山口君は「研学キャンパス」という予備校に通い始めているという。山口君は浪人3年目だが全く切迫感は感じられなかった。山口君もどちらかというと読書主体の生活になっているようで、予備校中心の型にはまった生活にはなっていないようであった。山口君と一緒に一乗寺のアパートにほど近い「京一会館」という日活ロマンポルノばかり上映している映画館の隣の「ブルー」という喫茶店で話をした。山口君はローデン・ストックの眼鏡を専用の紙で拭きながら近視の目を細めて話をした。山口君は獅子かっぽれに似ていると母が言ったの思い出しながらウエイトレスが運んできたホットコーヒーを口に運んだ。一頻り話をして岩倉の下宿に帰った。大分山口君に大学再受験を煽られたような気がした。下宿に帰りついて自分の部屋は山口君の部屋と比べると片付いているなと思った。学校に通わないので最近運動不足になっている。学校に通っていると行き帰り軽く1時間は歩くので問題はないのである。下宿の風呂には鏡がないので銭湯に行かないと自分の体の全体像を見ることはないが剣道で鍛えたボクサーのような引き締まった筋肉質の体もかなり衰えているのだろう。6つに割れていた腹筋が4つぐらいになっている。肉体も精神も大学に通い始めてから惰弱になり始めている。6時近くまで読書をしてから辰巳食堂で若鶏定食を食べた。テレビがないのでよくラジカセでラジオを聴く。ラジオは京都放送である。京都放送はローカルな放送局なのでパーソナリティもローカルである。山崎ひろしアナ、千秋アナ、諸口あきらなどである。今日は4日ぶりに風呂が沸いているようだ。風呂は特に順番が決まっていないので風呂場の前に履物がない時に急いで入る。冬場は地獄だ。比叡山から寒風吹きすさぶ中離れた風呂場に震えながら行く。風呂場に入って五右衛門風呂のふたを開けると湯が底の方にしかない。湯に水を足しながらながらぬるくなりすぎるのを恐れて待っている。髪を洗う湯の量を除くとたらいの湯あみになるのは明らかである。冬場良く風邪をひかなかったなあと思いながら半身浴を楽しんだ。風呂から出てオレンジジュースを飲むと今日一日も暮れて行く。 

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