モッツアレラチーズ2 肆拾陸

若葉が街に急に萌えて。その顔でトカゲ食うかやるりかけす。新学期になってクラス替えがありました。僕のクラスは3年5ホーム。竹内先生が担任のクラスです。竹内先生は物理の担当の先生で通称「コンドル」と呼ばれています。これは月代を残してちょんまげのないような先生の頭髪に由来している。先生が教室に悠然と入場する際にはどこからともなくサイモンとガーファンクルの「コンドルは飛んで行く」が聞こえてきてゆったりとした雰囲気を醸し出している。クラスの皆は同じ学年で顔なじみの人が多いが留年生の森本君と転校生の上岡君は初めてお目にかかる。森本君は風貌がちょび髭ヒッピー風の人で留年したのもさもさも肯ける。上岡君は群馬の前橋高校から転校して来た小柄でいかにも賢そうな生徒です。今日の1時限目は担任の竹内先生の物理です。3年5ホームは理系のクラスであるが僕のように私立文系志望で物理はとうに捨てている生徒も多い。前回あった小テストを返してもらった。採点された答案用紙を見るとなんと!丸が1つしかない。点数は5点。10点満点じゃありません、100点満点です。不安に思って周りを見渡すと岡崎君が恥ずかしそうに0点の答案用紙を「これみいや!」と差し出した。これじゃあ、国立は絶対無理だわ!2時限目は現代国語。この先生名前は何という人だったか。名前が思い出せなかったりするのは養豚関係者だな!と思いながら授業が始まる。やっているところは有島武郎の「或る女」の1節。先生は文章の中で使われているよくある言い回しを板書して、その中で「何の変哲もない」という言い回しを使って1文作ってみい!とにたりと笑って僕を指しました。急のことで僕は緊張のあまり喉からせり出しそうになる心臓を気合の1念でもとに収め、「僕は何の変哲もない駄菓子を見つけて菓子を買い、胃の腑を満たした」という間の抜けた1文を即席で作った。「へはははは」という失笑が周りの生徒から漏れ、先生は満足そうに歯をむいて薄ら笑いを浮かべた。僕は笑われたのが不満だったので授業の後、「大言海」という特大の辞書で言い回しの用法を調べたが要領を得なかった。後、3時限目昼休みを挟んで4・5時限目と事もなく終わり、部活へと時は進みゆく。新学期になって西田を首班とする新体制で臨む剣道部。稽古の目安が中身ではなく時間になっている。これは要するに2時間稽古をするところが4時間稽古をすると2倍腕前が上がるという考えに基づいている。もちろんナンセンスと言う他はない。大人が仕事場で8時間労働として時間で働くというのと同じことである。同じ8時間働いても人によって出来高がまるで違うので、同じと仮定すると実質的な不公平となるのは理の当然だからである。今年も1年生が入部してきたが、志ある剣士となって剣道部の気風を自然体で風格のあるものと変えていって欲しいものである。部活は時間を基準にして滞りなく整然と行われた。しかし今の体制では一人一人が個性のある技や人格が構えに表れるような味のある剣道は難しかろう。部活が終わって家路を急いだ。

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