モッツアレラチーズ2 肆拾参

年も押し迫りました。どこぞのお寺の鐘がごーん、ごーんと高知市内に鳴り響く。明日から冬休みということで休暇中の課題や注意事項が担任の岡林先生からあった。それと10月にあった第2回実力テストと解答・講評が返却された。科目は英数国。英語43点、数学35点、、国語65点、総合点143点、435人中202位。とうとう成績は200番台まで下降した。これではもう国立は無理ですね、私立文系にしましょう。大学受験に向かって英・国・日本史に力点を置く考えが次第に固まっている。しかし、英語の成績が上がらないと志望校である早稲田の法学部に合格するのは到底無理だろう。そうこうする内に終業のチャイムが鳴った。今日は部活が休みなので帰り支度をしていると吉村君に声を掛けられ一緒にはりまや橋の明文堂書店に参考書を見に行くことになった。二人で歩いて学校を後にした。歩いていくのは吉村君が学校の駐輪場で自転車を盗まれたので、今自転車を持っていないからである。帯屋町のアーケードをずっと歩き、中央公園を過ぎて高知大丸前に差し掛かった時、吉村君は大丸の駐輪場に正に盗まれた自分の自転車が駐輪してあるのを発見し「これ!僕の自転車やない!」と小さく叫んだ。すぐさま、近くの公衆電話で警察に通報した。吉村君は交番に盗難届を出していたのである。吉村君は街中の駐輪場という駐輪場を見かけると目を皿のようにして自分の自転車がないか鼻をくんくんとさせていたのだった。「ついに実りましたね!吉村君の執念が!」と僕は心の中で思った。すぐに警察が来て一緒に物陰で犯人が出てくるのを待った。5分、10分・・・。学生風の男がデパートの戸口から出て、駐輪場に来て鍵を開けて自転車に乗ろうとした。警察官が物陰から走り出て、「ちょっと待って!この自転車君のやないろう!」と声をかけた。犯人の顔を見ると僕も時々見かける追手前の生徒だった。警察官と一緒にはりまや橋の派出所に行った。犯人はやはり追手前の1年生だった。吉村君は「大事にはせんでください!」と腹の太いところを見せた。取り調べが終わり、吉村君は自転車をついて僕と明文堂で参考書を見に行った。吉村君と別れて家に帰ると駐車場に日蓮法華宗の三谷さんのセドリックが止まっていた。食堂で母の作ってくれたおにぎりを食べ、3階の父の部屋のドアをノックして、部屋に入った。「本有常住の大ご本尊様は信仰の対象として絶対だということを昇華学会の人と話す機会がありましたが、昇華学会の人は「物事に絶対ということはない」と言っていました。」と父が言った。三谷さんは「絶対ということはない。ということに対して1つだけ反証として例を挙げておきましょう。人間は生まれて、必ず死ぬ。今まで生まれてきて、死ななかった人間はただの1人もいません。人間は生まれては死ぬ。これは絶対です。誰一人疑う人はありません。生死というものは絶対なんですね。生死の法を表す大御本尊様も絶対です。どのような世間の事柄も相対的なもので、無常です。ところが大御本尊様は絶対で常住です。これを以て推してください」と三谷さんは答えた。日蓮法華宗の父と三谷さんの会話は日常の生活では思い至らないようなことを耳にするので信仰というものは人間にとって必要だなあ!と時折思う。三谷さんに1礼してから父の部屋を出て自室に入った。追手前はもう2年から受験体制なので志望校に合格するだけの実力を後1年でつけなければならない。正月には剣道部の寒稽古もある。ああ忙しい!ああ忙しい!

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