モッツアレラチーズ2 参拾漆

近所の桜が一輪咲きました。高知城付近はまだ薄ぼんやりと緑でこげ茶色がかっている。自転車で5分かけて追手前高校西門に着いた。春になるが浮き立つ様子もない地味な感じのクラスの雰囲気だ。4月から2年生になると進学校の追手前は受験体制になるからであろう。1時限目の重松先生の英語はリーダーのレッスン13が終わり、もう2つレッスンを残すのみなので何とか最後まで行きつきそうだ。2時限目の入交先生の国語は夏目漱石のエッセーのところをやっている。このエッセーでは夏目漱石の日常生活などがつづられている。暖房費をケチって火の気のない部屋で深々と身に堪える寒さを我慢して座布団に座ったまま固まって、家内に呼ばれても「寒くて動けないよ!」といった生活ぶりである。こういった我慢が祟ったのか、ストレスからであろう胃病に悩まされ、49歳の若さでこの世を去っている。夏目漱石のむずかしい顔をした落語家のような、どこか可笑しみのある作風もこの我慢からくるストレスにあったのかもしれない。朝から3杯飯を食べたり、夜中にイチゴジャムを1瓶嘗めたりするのも明らかにストレスのためであると思われる。入交先生はこのエッセイを通して作家の生活が常人とは違い、作品を紡ぎ出すものになっている点を指摘していた。教室での時間は過ぎ、5時限目は音楽である。音楽の先生は年の頃不明のどこか目立たない、印象の薄い依岡先生である。今日は自由課題の楽器演奏のテストである。僕は縦笛で「さらば涙と言おう」を演奏する予定だった。「さらば涙と言おう」という曲は剣道部の学園ドラマ「俺は男だ!」の主題歌である。僕の前の試奏は和田君だった。和田君はクラスに二人いる。「ワダシャシンカン」と「てっちゃん」である。この和田君は「ワダシャシンカン」の方の和田君である。和田君の試奏はなんとビートルズの「レット・イット・ビー」をピアノで弾き語りをするものであった。ピアノの演奏は多少ギクシャクしたところもあったがチャレンジがあっぱれだったので音楽室に拍手が起こった。当然次の番である僕の「さらば涙と言おう」は皆に無視されたとは言わないまでも目立たなかった。かなり力んでいた僕は演奏が終わってから心にぽっかりと穴が開いていた。終業のチャイムが鳴って、授業が終わり、部室に向かった。部室で見る、稽古不足の逆さ豚児のぶよぶよの体。それに引き換え・・・。僕は家で風呂に入るとき風呂場にある全身鏡にパンツ姿の自分の体を写す。うっとりとナルシスチックにというわけではないが、どうよ!この引き締まった筋肉質の体は!腹筋が6つに割れちゅう!ボクサーか俺は!とやや実際より足が長く見える鏡に映った自分の体を見て、自分の稽古が本物だと確認するのである。この日稽古は南の体育館で2人一組11人で行われた。部活が終わって、駐輪場で田内と話し込み、話の続きをショッパーズプラザ高知大橋通店ですることになった。エスカレーターとエレベーター使って5階階上の屋上に出た。屋上のカウンターで2人でけつねうどんを食べた後ソフトクリームを買ってなめなめしながら高知市内を見渡た。話の合間にソフトクリームのウエハスをバーリボーリ、バーリボーリと食べた。取り留めなく話をしていたが、辺りも薄暗くなってきたので階下に降り別れた。

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