モッツアレラチーズ2 参拾参

今はもう秋、栗の木にまた来ないか?るりかけす。今日は土曜日で学校も半ドンである。1時間目の入交先生の国語が終わり、2時限目重松先生の英語となっている。授業がが始まり、先生はリーダーの本のLesson9の本文を読み始めた。なんと流暢な読み方だろう。「カナダ人か!重松は」と心の中で思った。ところでで僕は今日の授業に備えての予習を全然してこなかった。それで「和訳を当てられたらまずい!」と先生が読んでいる個所を必死に空で訳を作っていたが、知らない単語が2つも3つもあって頭の中が真っ白になってしまった。「それではここ、高野君訳して」と僕と同じ列で2つ前の席に座っている高野君が当てられた。あろうことか高野は居丈高に「なんちゃー分かりません!」と短く答えた。重松先生はこの事態にも怯むことなく、「では次、片岡君」と僕の前の生徒を指した。片岡君はとても日本語とは思えないようなまずい訳をどもりながら付けていた。僕は「これはいかん!」と思い、鞄から出した教科書ガイドを腿の上にのせた。該当箇所の訳の大意を取ろうと思って、眼球が飛び出すくらい遠目に覗いていた。その時、突然「ちゃんと予習してきなさい!」と素早く僕の席の前に立ち寄った重松先生にガイドを取り上げられた。授業が終わり、職員室に教科書ガイドを返してもらいに行った。「一人でできるね!」と先生は一言言ってガイドを返してくれた。半ドンで授業が終わり、部室に向かった。部室の壁に室戸大会3位入賞の表彰状が額縁に入れて、飾ってあった。部室にいた1年の筒井が今日は体育館が使えないので稽古は休みだと僕に告げた。学校の西門近くの駐輪場から自転車に乗って5分で自宅に着いた。駐車場に弟の古びた軽快車が置いてあった。珍しく弟が先に帰っている。1階の居間兼食堂でテーブルに置いてある母の手作りのサンドウィッチを見つけ卵とハムをもぐもぐと食べた。3階に上がって部屋に入り鞄を机の上に置いた。部屋では弟が譜面を覗きながら座布団に正座して、手にした尺八で掌をパシパシと叩きながら体を揺らしていた。僕は弟に近寄って、「何の曲で」と尋ねた。弟は楽譜の方を指さした。見ると楽曲「姿三四郎」と作詞、作曲者の名前が楽譜の上に書いてあった。弟は12月に全国的な尺八の演奏会が高知の県民ホールで行われるのでそれに備えて練習し始めるとのことであった。楽曲「姿三四郎」は数年前の竹脇無我主演のテレビドラマの主題歌である。武道と尺八はイメージ的に合うのでこの曲を選んだという。楽譜を手に入れるのにテレビ局に電話をかけて調べてもらったり、こちらから送ってもらうのが非常に大変だったと言った。僕はちょっと吹いてもらえないかと弟に頼んだ。弟は唇の形を作って尺八に当て、演奏し始めた。最初音がかすれとぎれとぎれになったりしていたが、だんだん調子が出てきて渋い曲調が醸し出されてきていた。弟は尺八の稽古をし始めてまだ2年経っていなかったので、境に入って首を振るところまではいっていなかった。しかし、中高6年間稽古をすれば弟が習っている「都山流」の免許をもらえるかもしれない。弟のさびの効いた尺八の音色を背に机に向かった。鞄から返してもらった英語のリーダーの教科書ガイドを開いた。あちこちに落書きが。

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