モッツアレラチーズ2 弐拾肆

11月に入って秋らしくなってきた。登校の自転車も秋晴れでさわやかである。来年2月には高専の入学試験があるし、部活の剣道部の方もそろそろ3年生は高校受験の準備で引退となる。僕自身はこの3年間やってきた勉強や部活の剣道を終りの方なんとか支離滅裂にならないようにうまくまとめて高校に繋げたい等と考えながら3-3の教室に入った。大平先生のホームルームの時間が終わって、1時限目は古味先生の社会科である。古味先生は瘦せ型の神経質そうな顔立ちの中年の小柄な先生であり、生徒の間では「コミセン」とか「キョーサントー」と呼ばれている。実際共産党に入党しているかとか選挙活動をしているかどうかはわからない。この社会科の先生の授業で特別僕の印象に残っていることがある。鎌倉時代の仏教文化を教えてくれた時のことである。教科書には載っていないことであるが、日蓮大聖人の辰口の法難のことを教えてくれた。この法難は幕府の将軍に対する直接の布教活動や当時の既成宗教である念仏・真言・律・禅の各宗派を激しく論難したのがもとで相州辰口という所で斬首刑になりそうになった。しかし、いざ刑の実行という時西方から光物が空に表れて眩しさと霊気から兵士は恐れ慄きとうとう首を切れなかったという奇跡の話である。この話は日蓮法華宗の父からも聞いたことがあったので学校で聞くのは何となく誇らしかったが、先生はこの説明をした後に「ほんとかどうかわからんけんど!」と蛇足をつけたので僕はげんなりした気分になった。さて、今日の授業は家庭での課題として読んでおくようにと渡されていた歴史資料『第2次世界大戦前後の全体主義とニヒリズム』という10ページほどの小冊子を読んだ感想をわかるように書いてみい!ということだった。古味先生は前の列の生徒にそれぞれA4のわら半紙を渡した。僕はこの資料を家で読んで現代社会の問題にも通ずる興味深いものだと思ったので比較的いいテンポで考えを巡らしていた。わら半紙に鉛筆をなめなめしながら次のように書いた。『全体主義というのは全体の利益のため1個人の権利は犠牲になってもよいという考え方が基本であるが、実際は全体のための利益なるものは存在しない。そこでこの全体は暴力的拡大を余儀なくされることになるのである。全体主義的な世界の構成員の意識である私達とか無私というのは一人一人の人権を無視したり、差別をしたりするための欺瞞でしかない。また、個々の人間が無私意識なので自分が取り扱っている事柄の事実を自分のものとして確認する責任と必要がない。このため全体主義的な世の中では拡大するためのデマですっぽり包まれて世の中が流れている。この思想的基礎は人間性を否定するニヒリズムである。要するになんちゃーないのである』とこのようなことを先生に述べ立てたのである。「キョウサントー」はどう思うのだろう。授業が終わり、掃除の当番をしてから家に帰った。最近部活はだんだんと2年生に引き継がれていっているので僕は時々部活をさぼっては勝賀瀬君や石川君と食事などに出かけている。このことが影響してか高校受験を前にして成績はだんだんと落ちて行っている。もともと3-3ホームは県外からの成績のいい転校生が数名いるので他のクラスと比べても格段に成績はいいのである。男子生徒の成績が優れていいので数学の島崎先生はそれを評して「1等亭主の3等女房やねや!このクラスは」という。そういう次第であるが僕の成績はおそらくクラスで7,8位であろう。10月の綜芸塾の第2回の高校入試の模擬テストの成績結果が手元にある。成績表を見ると総合点373点 377人中53位 同じクラスでは松山の秀才安芸君が今度も2位、森下君は定位置の8位、谷君は15位にランクインしていた。判定では高知高専は合格圏内であったが、このままでは目をつぶって追手前に入るか、農業の養豚か。支離滅裂の方向に向かう傾向のある中3の終盤をうまくまとめていかなければ!!

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