モッツアレラチーズ2 拾漆

2月に入り寒さも本格的に厳しくなった。朝、小学生の時には一酸化中毒の危険がある火鉢があったのだが今はおこただけなので冷たくなった手を温めたりすることはできない。手を温めるには摩擦するしかないのである。冷たくなった湯たんぽを弟の分とともに階下に降ろす。自転車に乗るときは毛糸の手袋だけだが、できれば毛糸の耳当ても欲しいところである。中学校の教室にも火の気は全くない。だか、窓を閉め切っていると40人の生徒の体温と吐く息で部屋が温まり時間がたつと次第に寒さを感じなくなるのである。これが自然の暖房装置である。ただ換気の時は寒風が入り込むこともあって勢い換気は滞り、教室内は二酸化炭素が充満している。中学校での生活もあと2か月ほどで最終年度に入る。3年生になると高校入試に対する備えをしないといけないし、剣道部の部活も3年生は全員大会に出場する上、昇段試験も受けなければならない。2年生のうち僕を含めて3人はすでに1級の昇級試験に通っているので来年初段の昇段試験を受けることができる。また、3年生になる前に高校進学のオリエンテーションがあるのでそれまでに志望校など決めておく必要もある。こういった次第で2年生の年度末を控えて期末テストの準備だけでなくいろいろな面での段取りが必要になってきているのである。今日は今まで4時限の内2時限が自習であった。最近風邪が流行っていて先生が風邪をひいてお休みだったのである。5時限目の池先生の理科は過酸化水素水と二酸化マンガンの化合で酸素を発生させる実験があるので理科室へ向かった。理科室に入るとスケルトンや残酷かつ気持ちの悪い解剖されたネコのホルマリン漬けのビンなどが目に入る。理科室には円形の机が7卓あって実験ができるようになっている。生徒が全員着席してから池先生が入ってきた。池先生はまだ若い感じの理知的な女性教師である。授業は進み僕の円形テーブルを囲んでいる班でも見事に酸素が発生し、拍手とともに片付けに入り、三々五々2年3ホームの教室へと戻った。授業が終わり、終業の礼をしてから部活に部室へと向かった。剣道もそろそろ経験2年になるが、去年の7月に1級の昇級試験に通って、型にはまった礼や姿勢、装具のつけ方、打ち込み、合わせ技、抜き技、足さばきなどの基本技能は不安定ながら身についている。ただ実戦の方では動きの速い相手や、力任せに攻めてくる相手を苦手としており、何かヒントをと模索しているが結局基本的なことからしか解決の糸口は見いだせないであろう。部活が終わって家に帰り、去年買ってきてから全然読んでいない江戸時代鍋島藩牟田髙惇の「諸国廻歴日録」を読んだ。この本は藩主の君命での武士の武者修行の日記である。鉄人流という二刀流の風変わりな流派の使い手である著者が2年間に渡って佐賀の鍋島藩中から久留米、下関、山口、広島、兵庫、大阪からずっと江戸まで各地の道場で他流との手合わせをしながら旅をしていく武者修行者の日記である。まだ2年間の内2か月分ほどしか読み進んでないが、記述には期待された剣術の極意などは全然ない。全て漢字で書かれているので読解力が追いついていかず読み取れてないのかもしれないが、漢字と言っても宜敷(よろしく)などのように当て字が多いのでほぼ意味は取れるのである。しかし、考えてみれば自家薬籠中の剣術の極意を軽々しく文にするとは思えないので当然のことかもしれない。書かれているのは武者修行の旅の大変さや、米食修行人という居候のような人の存在とか江戸時代の風物である。旅の大変さが窺われるのは1日早朝から晩まで40キロから50キロぐらいは走って峠を越えたりすることや多分汗と土で汚れたむさい格好で宿を訪ねて、お侍さんはお断りしていますといわれて泊る所に難儀をしたりする記述があるからである。しかし、この人は風呂に入る記述が2か月で1回しかないとはいえ野宿をすることは全くなく、常に旅籠に止まって宿賃124文也を幾度となく支払っている。そのほか駕籠かき等の人足代や馬等の交通費が非常に高く金がかかるのである。更に名物の餅を食べたり、浜松でウナギのかば焼きを食べたり、北野天満宮などの寺社に詣でたりもしている。金のかかる旅であることがわかるがどうやって金を調達しているかは必ずしも明らかではない。想像では君命で来ているので藩から時々仕送りが来るのと、主が病気のため他流の稽古はできませんなどいろいろ理由をつけて手合わせを断る道場から金一封をもらっているのかもしれなかった。読んでいてわかるのはこの人が相当の剣術の手練れだということである。というのは各地のこれという道場に臆面もなく手合わせを申し込むし、この道場は大したものはおらんの等の記述が目に付くからである。僕は今の剣道の技術的問題解決に何かヒントになりはしないかと読み始めたが、江戸時代の人のすごい体力や実力のある生活ぶりに感心しながら面白く読んでいる。家にあるテレビは4年前に買ったNECの15インチの小型テレビだが、1億総ハクチ時代の最中ほとんど見ないので偶には本を読むのも良いことだろう。

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