モッツアレラチーズ2 玖

もう秋の風情が立ち込め城北中学の校門から自転車置き場に行き自転車を止めると金木犀のいい香りが漂っていた。クラスの教室に行く前に一番南の棟の1階にある職員室に向かった。前の日剣道部の米津先生から朝職員室に来るように言われていたからである。職員室に入ると職員室の掲示板のところには夏休みの宿題で描いた生徒の絵のうちいいものが張り出されたいた。僕の描いたモザイクのヤイロチョウが特選の部にあった。父が画家なので僕が絵のうまいのは当然視されていたが、張り出されてみると流石にモザイクが雑である。傍らでは山口先生がタバコの吸い殻が山のようになった特大の灰皿にさらにタバコをもみ消していた。米津先生の机には昔県の大会で優勝した時の若き日の姿を写した写真が置いてあった。米津先生から剣道部の道具の手入れや洗濯を1年生で手分けしてやってもらいたいという話しがあった。剣道部は10月に行われた市の体育祭で団体で3位に入る健闘を見せた。高知市には高知中学とか学芸中学という全国レベルの剣道部があるので3位でも大健闘なのであった。個人でも京島先輩がベスト4に進出して一人気を吐いた。僕自身は団体戦に中堅で1回出場出来たが、延長で小手を1本取られて負けたが、チームは3対2で勝った。負けてからチームが負けたら首を切られるという思いで手に汗を握っていたが大将戦で京島先輩が浦戸中学の強敵大草を倒し、胸を撫で下ろした。職員室を出て1年2組の教室に入ると中越君と関川君が机を台にして下敷きでピンポンをやっていた。始業のチャイムが鳴ってクラスの担任の澤本先生のホームルームの時間になった。澤本先生から最近生徒の間で流行っている無酸素遊びなどの危険な遊びをしないように注意があった。1時限目の大倉先生の数学は「1次関数」のところをワークブックで演習をした。2時限目は前田先生の理科で、初歩の化学のところを教えていた。前田先生は大卒の新任の先生であったが、浮いた噂を生徒にからかわれた時には厳しい表情で注意をするのだった。6時限目の岡村先生の技術・家庭でノギスの使い方を習い授業は終了した。岡村先生は最近酒を飲んで大いに酔っ払い家の2階の欄干から転落して骨折し、休んでいたのでここ数回授業は自習になっていた。岡村先生はある意味で高知の「いごっそう」と言えるかもしれない。3時半から部活はいつもの予備運動の後、組に分かれて自由に打ち合い、呼吸を合わせて個々の技のタイミングなどを確認した。部活を6時に終え、家に急ぎ帰って塾の夜間講習の準備をして、大橋通のアーケードより300メートルほど南の中島町にある学習塾「学研」に出かけた。「学研」には小学生の時夏季講習に参加したことがあったが、今回はや小学校の時一緒に講習を受けた野球部の松村に誘われてのことだった。午後7時前に学研の1階にある教室に入ると松村と同じクラスで野球部の高石が来ていた。教壇には大学を卒業したばかりと見られるフランス人のような日本人離れした美貌の女性の英語教師が立っていた。受講する生徒は高知中の制服を着た生徒など10人足らずである。教科書は私立で使っているクラウンに決められている。ちなみに公立中はニュープリンスである。クラウンは「I have a book」ニュープリンスは「This is a pen」から始まり文法の構成が違っている。先生は流暢に教科書を読み、生徒に続くように促した。帰りに松村が強く誘うので高石と一緒に3人で大橋通から追手筋に抜ける道にある食堂で中華そばを食べた。普通夜外食をするときは母に言っておかないともう食事を作ってあげないといわれるので断ったが断り切れなかった。9時前に家に帰り着いた。3階の弟と共有の部屋に入ると弟は一頃流行った「快傑ハリマオ」のソノシートを蓄音機をかけて聞いていた。「真っ赤な太陽♪燃えている。♪果てない南の大空に♪轟わたる雄叫びは♪正しい者に味方するハリマオ、ハリマオ 僕らのハリマオ ♪♪」このテレビドラマの主題歌は三橋美智也が歌っているが、ドラマのテーマソングにしては非常に丁寧に歌っており、ちょっと普通ではできないような力強い歌になっている。鞄を部屋に置いて、1階の応接間のソファに腰を掛けて家計簿をつけている母に食事を済ませてきた旨を告げると、「難しいですね」と一言言った。

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