モッツアレラチーズ2 参

6月半ば。もうすぐ梅雨入りだ。中学校に入学してからは自転車通学なので雨の日は雨着を使わなければならない。永国寺町の自宅から城北中学まで、高知女子大の前を通り、洞が島から高知大学付属小学校の前を通って15分ほどである。校門の西側にある自転車置き場に自転車を置き、1年2組の教室に入る。1時限目の田村先生の国語が終わって、2時限目前田先生の理科。前田先生は大学を出たばかりのかなり美形の女先生で生徒とは隔絶された理科の空間で劇的に授業が進んでいくそんな感じの先生である。きっぱりした口調で授業が締めくくられ2時限目が終わる。3時限目、若くて美人の奥村和歌子先生の英語。僕は1年生ながら英語の教科書であるプリンスのリーダーをスラスラ読むのが得意だった。発音はもちろん全くいい加減である。僕があまりにも流暢にリーダーを読むので、藤野君がまねをしてなまりのある妙な読み方をしてクラス仲間の失笑を買っていた。奥村先生は1年生の授業の始めにアルファベットの発音をまず練習させたが、Hを発音するのに「エイチ」と普通に発音するのかと思っていたら[エイッチョ」と思いっきり発音するのであった。11:45分で3時限目が終わり、校内放送があった。スピーカーから流れるメロディに合わせて少年赤十字の歌を歌う。[・・・・♪♪少年赤十字」少年赤十字の手帳が配布されていて、その手帳に歌詞が書いてあった。少年赤十字は少年団だと思うが非常に道徳的で美しい歌詞であった。昼食が終わって、4時限目は担任の先生である澤本先生の社会科。澤本先生は大学を出たばかりの先生で生徒の間では歌手の園まりに似ているといわれていた。 世界史の地中海貿易の商船が航海中海賊に襲われる下りのところで先生の話に、僕が「後悔したろうね」とヤジを飛ばした時、先生は意味ありげに「そう」と言って僕の方を注視した。「紅海」と「後悔」を掛けただけだが他に意味があったのだろうか。5時限目岡村先生の技術・家庭が終わって3:30にプール下の部室に向かう。途中、同じクラスの松井君が声をかけてきた。松井君と勝賀瀬君と僕の三人が1年2組で剣道部に所属していた。勝賀瀬君はよく部活をさぼるのでたまにしか部室に来ないのである。松井君は授業中よくヤジを飛ばすタイプの生徒である。ふつう、剣道部に所属しているというときりっとした侍のようなタイプの人を思い浮かべるかもしれないが、城北中学の剣道部はそういうタイプは僕の知る限りでは主将の京島先輩だけであった。松井君も高知なまりの強い言葉を話すかなり砕けた感じのタイプの生徒だった。部室に入ると裸電球の向こうにすでに着替えているむさくるしい男の裸の上半身が薄暗く映し出されていた。剣道部員の男の体というと上半身裸で木刀を持って素振りをしている時代劇に出てくる引き締まった体の侍を思い浮かべる人も多いだろう。しかし実際は剣道部員の体はどちらかというとぶよぶよした感じであることが多いのである。講堂に向かう途中グラウンドで野球部の顧問の大野先生がシートノックを鍛えているのを見ていた。ずたずたの布袋のようなズボンにわら縄1本の紐を締めこんでベルトにして上はランニングシャツ1枚という風変わりかつラフないでたちでノックをしていた。鬼のような形相をして気合の入った声をかけながら鍛えていた。この大野先生は県下でも有名な美術の先生なのである。講堂に入り部員がそろってからランニングから始まるいつもの練習メニューをこなし、5:30には終わって帰宅の途に就く。こんな城北中学の僕の生活が続いている。

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