モッツァレラチーズ16

その日の朝部屋をノックする音がして、女中のJさんが部屋に入ってきた。Jさんはカーテンを引いて窓を押し開いた。私は寝床にいたが、目を閉じていた。外からまぶしい光が部屋の中に射してきて、天気が良いのが分かった。そろそろ10月に入ろうとしていたのだがまだ少し蒸し暑かった。Jさんは私に朝食の準備が整ったことを告げた。1階に下りて、父母と私の3人で朝食をとった。弟は県外で仕事をしていて、今は永国寺町の自宅には、年の暮れにしか帰ってこなかった。ポテトサラダのサンドウィッチを食べながら今日の予定などを話していた。父は今年還暦なので、還暦に因んで赤いボタンダウンのシャツを着ていた。母は相変わらず病院に勤めていたが、このごろ髪が少し白くなってきた。朝食を済ませ、3階の自室に上がった。デスクトップパソコンのあるパソコンデスクに向かった。昨日中に届いているメールを読み、今日の仕事の予定をチェックした。午前10時から福祉プラザで、パソコンの個人レッスンをする予定が入っていた。私は京都の美大を卒業して、5年ほど絵を描いていたが絵を描く才能に自信が持てなかった。結局、京都のコンピュータの専門学校で2年コンピュータの勉強をして、今はパソコン関係の仕事をしている。9時半に朝倉にある福祉プラザに車で出掛けた。父と兼用で使っているマツダのデミオを走らせた。福祉プラザは朝倉にある3階建のマンションのような建物だった。福祉プラザの前で車を止めハザードランプを点けて、2階に上がり福祉職員に駐車場所を尋ねた。福祉職員は車を移動するので、砂利の敷いてある駐車場に止めるように私に促した。私は砂利の敷いてある駐車場に車を駐車し、福祉プラザの1階にドアを抜けた。レッスン開始の15分前、パソコンの用意をしているところに福祉の職員が来てハザードランプがつけっぱなしになっていると告げた。私は少し狼狽しながらランプを消しに行った。福祉プラザの1階に戻ってきて、今日のレッスンの予定であるエクセルの配列を読み込んだ。全く分からなくなっていた。これは福祉職員のモッツァレラチーズである。福祉職員は有り余るエネルギーで私を食い物にした。10時前にレッスンを受ける顧客が来て、レッスンを始めたがあまり話がまとまらなかった。レッスンは昼食を挟んで3時半に終了した。個人レッスンは結局変な話に終わった。片付けを済ませ、2階に上がって福祉職員から6000円のレッスン料を受け取った。帰りに万々のスーパーに食べ物を買い出しに寄った。スーパーのレジでお金を支払う時、1000円と間違えて5000円を出したが店員は何も言わなかった。これは原因不明のモッツァレラチーズである。帰りの車の中で私はきちんとシートベルトを付けていたが、顔には生気がなかった。

                     モッツァレラチーズ 全16話 The End

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