モッツァレラチーズ10

朝いつものように女中のKさんが子供部屋に入ってきて、カーテンを引き窓を開けてくれた。外は晴れていて、明るい日差しが入ってきた。2段ベッドから降りて窓際に立つと、秋風とともにきんもくせいの香りが漂っている。まだ寝ていた弟を呼び覚まし、洗顔のために階下に降りた。母は早朝の勤務で朝早く出かけていたので、父と弟と3人で朝食をとった。登校の準備をし、弟と一緒に小学校に向けて出かけた。学校の正面にある正門のところで弟と別れ、南から2棟目の2階にある4年B組の教室へ上がった。月曜日の1時限目は道徳で、2時限目は国語で漢字の書き取りテストがあった。3時限目の算数も少数や分数の計算と文章題のテストだった。テストに関して、担任の先生は生徒に得点表を作らせていた。得点表は画用紙を2つ折りにして、表紙に自分の好みで絵を描き、見開きに、各テストの得点を科目ごとに書きならべてゆく。科目はいわゆる4教科であった。書き並べた各点数には100点は赤色、90点台は黄色で色づけをしていた。そこで、優等生は表が真っ赤になっていた。私は日頃から学校から与えられた教科書とワークブックしか勉強していなかったが、自分で考えて読みこんでいたので、教科書には書かれていない知識を問われる問題以外は全て解答することができた。それで、成績は比較的上位にあった。だが、私は授業中先生が質問の答えがわかるものは手を上げるように促す時手を挙げず、指された時だけ答えるようにしていた。授業は進み、最後5時限目の図画工作で、描きかけの風景画を先生に提出してその日は終わった。帰りに弟とともに追手前小学校前の追手筋沿いで父の車が来るのを待った。帰りにスーパーに寄って、お菓子を買ってくれることになっていた。小学校当時お菓子を買ってもらうことは年に数度あるかないかというほど稀なことであった。お菓子を食べると歯がだめになることが明白だったからである。父のホンダのクーペが私と弟の目の前に止まった。車は幸町のスーパーへ向かった。幸町のスーパーは駐車場があったのでよく父は利用していた。スーパーで父は今日の夕飯のカレーの具材や朝食のパンなどを籠に入れた。私と弟はチョコボールを1箱ずつ籠の中に入れた。スーパーのレジで父は買い物の支払いをした。レジ係の女性はいつも品物の入ったビニール袋を父に手渡すタイミングで手渡さず、逆の手順で釣銭を渡した。父はいつものタイミングではなかったので釣銭だけ受け取って品物の入ったビニール袋を持たずに帰ろうとした。レジ係の女性は買った品物を忘れていると父に声をかけた。父は面食らったように振り向き、ビニール袋を受け取った。父は買った品を忘れて帰ろうとした自分を恥じて、おたおたしながらスーパーのドアをくぐった。これはレジ係の女性のモッツァレラチーズである。レジ係の女性は仕事上でのむかつきのしわ寄せを父に食わせた。弟と3人が車に乗り込んで家路を急いだ。帰り、父は車のシートベルトを着けていなかった。

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